効果がなくなったのはトオコのせいだったんだ。


一人ぼっちになったトオコを可愛そうだと思ったことを、今では後悔している。


同情なんてしていなければ、昨日手を差し伸べることだってなかったのに。


幸いなことは人間接着剤がまだ残っていることだった。


明日忘れないように学校に持ってきて使わないといけない。


同じ人間に使うのは嫌だったけれど、こうなってしまうとどうしようもなかった。


セイコは奥歯をギリッと噛みしめる。


無駄に使わせやがって。


湧いてくる怒りを押し込めて、トイレから出たのだった。