闇夜ヨルの恐怖記録 1

☆☆☆

翌日も変わらない朝が来る。


A組の教室へ入ればハルナとカナが近づいて来て、休憩時間も友達と一緒に忙しく会話する。


そして放課後になればユウキが家まで送って帰ってくれる。


そんな、もう慣れてしまった1日がやってくる。


「おはよー」


A組の教室の戸を開けて、誰とにもなく声をかける。


普段なら必ず返事があるのだけれど、今日は珍しく誰からも返事がなかった。


どうしたのかな?


少し疑問に感じつつも、そのまま自分の席に座って教科書を引き出しの中へ入れていく。


そうしている間にハルナとカナが登校してきた。


2人仲良く肩を並べて、昨日のテレビ番組について話をしているみたいだ。


「おはよ」


机に座ったまま2人へ声をかける。


しかし2人はなにも答えず、そのままセイコの机の横を通り過ぎて行ってしまったのだ。


セイコは目を丸くして2人の姿を見つめる。


やっぱり声が聞こえなかったのかな?


でも、あんなに至近距離で声をかけたのに?