ずっとって言うのは、私が接着剤を使う前からという意味だろか?


「好きになったのは最近だけど、ずっと友達だったじゃん」


なんでもない様子で言うユウキに、セイコは唖然とした。


中学に入学してからはほとんど会話をしていなかったから、友達だと思われているなんて、思っていなかった。


「ずっと、友達だって思っていてくれたの?」


「当たり前だろ? 小学校の頃河川敷で応援してくれたときから、俺にとってセイコは特別な友達だった」


ユウキはまっすぐにセイコを見てそう言った。


嘘をついているようには見えなくて、セイコから視線をそらせてしまう。


てっきりユウキからは全く見向きもされなくなっていたと思っていた。


ずっと友達だと思ってくれていたのなら、もっと沢山話しかければよかった。


そうすれば、接着剤なんかに頼らなくても……そこまで考えて、左右に首を振って考えをかき消した。


そんなことない。


ユウキと付き合うなんて想像もできないことだった。


あの接着剤を使ったからこそ、今こうしていられるんだ。


「セイコ? 怖い顔してどうした?」


「ううん、なんでもないよ」


セイコは慌てて笑顔をつくったのだった。