闇夜ヨルの恐怖記録 1

「本当に!? 俺と付き合ってくれる!?」


「うん。私でよければ」


可愛らしく答えるとユウキは両手でガッツポーズをつくって喜んだ。


だけどまだセイコの心には引っかかっていることがある。


「でもユウキはトオコと付き合っているんじゃないの?」


教室を出るときのトオコの表情を思い出す。


憎しみのこもった目でセイコを睨みつけてきたのだ。


「学校で別れてきたよ」


そう言われてどうしてあんなに睨まれたのかようやく理解できた。


トオコはフラれた理由をなんとなく理解していたのだろう。


ユウキの心が自分からセイコへと移っていったことを。


「そうだったんだ。トオコはなんて?」


「泣いて嫌がって大変だったよ。だけど大丈夫だから」


ユウキはそう言うとセイコの手を握りしめた。


彼氏と彼女になってから初めて手を繋ぐ。


ユウキのぬくもりに心臓がドキドキする。


「じゃあ、今日は家まで送っていくから」


「うん。ありがとう」


セイコは素直に頷いて、ユウキと一緒に公園を出たのだった。