闇夜ヨルの恐怖記録 1

その間にカナとハルナがカバンを持って教室を出て行く。


こちらへ視線を向けて口パクで「がんばれ」と言われたことがわかった。


セイコは大きく頷く。


ここまで来たんだ。


後は野となれ山となれ!


勢いよく立ち上がると、教室を出ていくところだったトオコと視線が合わさった。


トオコはセイコを睨みつけ、なにか言いたそうにしている。


しかし、トオコはなにも言わずそのまま教室を出ていってしまった。


「なによ」


ひとりぼっちのトオコに睨まれたことで思わずボヤく。


今は私の方が人気者なのに、生意気。


そう思ったとき、後から声をかけられた。


「セイコ、今日一緒に帰らないか?」


「え」


突然のユウキからの誘いに一瞬頭の中は真っ白になってしまった。


「も、もちろんだよ」


慌てて頷くと、ユウキは嬉しそうに微笑んだ。