それから一ヶ月後。


ミハルは自宅のキッチンでケーキを作っていた。


そばにはお母さんとマイコとチアキの姿もある。


「できた!」


スポンジケーキの回りに生クリームをぬって、イチゴをトッピングしたミハルは大きく息を吐き出す。


「すごい! 今までで一番綺麗じゃない?」


「本当だ! これならお店に並んでいても不思議じゃないね」


マイコとチアキは美味しそうなケーキに目を輝かせている。


「お母さん、味見をお願い」


「任せて」


お母さんはフォークを手に持つと、ひとくちすくって口に入れた。


「うん、美味しいわ! 随分上達したんじゃない?」


その言葉にミハルは頬を赤らめて頷く。


退院してからのミハルは将来の夢をひとつに決めて、毎日ケーキ作りを頑張っていたのだ。


「私たちもミハルに負けないように頑張らなきゃね」


マイコとチアキは目を見かわせてほほえみあったのだった。