両親が医師を呼ぶために慌てて病室から出ていくのが見えた。


私の現実はこんなにも温かい。


それなのに、今まで全然気が付かなかったんだ。


声をかけてくれる友人たいにほほえみ返すミハルは、病室からあの老婆が出ていく後ろ姿を見たような気がしたのだった。