夢の中でミハルは先生に当てられたが、スラスラと解答していた。


それはまだ習っていないとても難しい質問だったので、クラスメートからの歓声が沸き起こった。


質問した本人である先生も驚いた顔でミハルを見つめている。


「大野さん、ちょっといい?」


授業が終わって帰ろうとしていたところで、担任の先生が声をかけてきた。


「なんですか?」


「あなたは本当に頭がいい生徒よ。このまま日本で勉強を続けるなんてもったいないと先生は考えているの」


「どういうことですか?」


「思い切って海外へ出てみる気はない? あなたは英語もフランス語も中国語もできるから生活の支障もないでしょう。海外なら飛び級のある国もあるから、あなたの実力に合った勉強ができるんじゃない?」


先生の興奮している声色が伝わってきて、こっちまで興奮してきた。


私が海外で勉強?


しかも飛び級?


まるで夢のような話だった。


「はい、私行きたいです!」


ミハルがそう返事をすると後はトントン拍子で話しは決まった。