横にした包丁を優しくスポンジに入れる。
けれどなかなか切れなくて苦戦している間にスポンジはボロボロになってしまった。
どうにか横半分にカットできたときにはミハルの手にはじっとりと汗が滲んでいた。
カットした断面を見て愕然とする。
薄い部分があったり、分厚い部分があったり、厚さがバラバラだ。
夢の中ではあんなに簡単にできたのに……!
下唇を噛み締めて、真ん中にクリームを塗っていく。
綺麗に塗りたかったけれどこれもムラができて、見た目は悪くなってしまった。
全体に塗ったクリームも、上のトッピングも夢で見たものとは全然違う。
出来上がったケーキは不格好で、自分でも信じられなかった。
「あら、大野さんすごいじゃない。ケーキを作ったの?」
家庭科の先生が驚いた調子で言う。
しかし、ミハルは嬉しくなかった。
こんなに不格好なケーキ、全然美味しそうじゃない。
「なんだよそれ、きったねぇ!」
クラスで一番やんちゃな男子がミハルのケーキを指差して笑う。
その子と仲のいい男子たちが一斉に笑い始めて、ミハルは拳を握りしめた。
「笑わないの! 何事も挑戦することはいいことよ。大野さんは今回始めてケーキを作ったのよね? 練習すれば今よりもずっと上手になれるわよ」
けれどなかなか切れなくて苦戦している間にスポンジはボロボロになってしまった。
どうにか横半分にカットできたときにはミハルの手にはじっとりと汗が滲んでいた。
カットした断面を見て愕然とする。
薄い部分があったり、分厚い部分があったり、厚さがバラバラだ。
夢の中ではあんなに簡単にできたのに……!
下唇を噛み締めて、真ん中にクリームを塗っていく。
綺麗に塗りたかったけれどこれもムラができて、見た目は悪くなってしまった。
全体に塗ったクリームも、上のトッピングも夢で見たものとは全然違う。
出来上がったケーキは不格好で、自分でも信じられなかった。
「あら、大野さんすごいじゃない。ケーキを作ったの?」
家庭科の先生が驚いた調子で言う。
しかし、ミハルは嬉しくなかった。
こんなに不格好なケーキ、全然美味しそうじゃない。
「なんだよそれ、きったねぇ!」
クラスで一番やんちゃな男子がミハルのケーキを指差して笑う。
その子と仲のいい男子たちが一斉に笑い始めて、ミハルは拳を握りしめた。
「笑わないの! 何事も挑戦することはいいことよ。大野さんは今回始めてケーキを作ったのよね? 練習すれば今よりもずっと上手になれるわよ」



