「ケーキを作るのは大変よ? 時間もかかるし、もっと簡単なものにしたらどう?」


そう言って、冷蔵庫から白玉粉とフルーツの缶詰を取り出す。


「ほら、これなら簡単にフルーツポンチができるわよ?」


そんなお母さんへ向けてミハルは盛大なため息を吐き出した。


お母さんは夢の中の出来事をなにも知らない。


だから私がケーキが作れないと思っているんだ。


「大丈夫だよお母さん。私はケーキ作りの天才なんだから」


ミハルはそう言い、冷蔵庫から小麦粉を取り出したのだった。