そんなことを考えていると、彼が私の頭をコツンと叩いてきた。



「イタっ……きゅ、急に何するんですかっ……」


「人がせっかく謝ってんのにシカトはねぇだろ」


「あ、すみません……ボーッとしてましたっ……」



彼の持ってる薬の入った袋を受けとって頭を下げる。


危ない危ない……これがなかったら私苦しくなるんだからっ……。


心臓のなんちゃら病で、まぁ心臓病でいいや。


この薬飲まないと心臓が苦しくなっちゃうんだって。



「てか俺、さっきお前のこと呼び止めたんだけど」


「あー……」



さっき聞こえた声は、私に対して言っているものだったんだ……。


曖昧な返事をした私に、彼は舌打ちをしてから去っていった。


怒っちゃったかな……。






気づけば私は、家とは逆方向へと歩いていた。


なにやってんだろ……。


帰りたくない……帰ったら、また邪魔者扱いされる。


ましてや病気で使い物にならない私なんて、意味の無い存在。


叔母さんにも迷惑をかけるだけ。



どこに行こーかな……。



もういっそ、今死んでしまおうか。


なーんてっ。


とりあえず近くに見えた倉庫へ行こうと足を動かす。


足重い〜……。


眠い……お腹空いた……ここ2日間、なんにも食べてない……。