「ワンちゃん!?話せるの?」


 「儂を誰だと思うてる。
  古来より恐れられる犬神ぞ!
  気安く触れるでない!」


 え?こんな可愛いらしい犬が?


 思わず吹き出してしまった


 「ぷふっ…あははっ!」


 「なっ…!!貴様、何故笑う!」


 「こんなモフモフの犬が神様だったなんて…
  少し可笑しくって…ぷぷ!」


 「はぁ!?何処が可笑しいのじゃ!」


 「それに、その話し方も古臭さくて…
  おじいちゃんみたい!」


 「おっ、おじいちゃん!?」


 あっ…今のは少しショックを受けたようだ


 「あはは、ごめんごめん。」


 私は犬を抱きかかえたままその様子を
 眺める


 「そんな…儂は、高貴な犬神…。」


 以外とメンタル弱いんだな…


 「あっ、そうだ!自分の姿、見てみたい?」


 私はバッグに入っている鏡を取り出した


 「ほら?どう?」


 犬神は鏡を見てビックリする


 「誰じゃ!こやつは!」


 「誰って…(笑。あなたよ?」


 「何だこの間抜けな姿は…。」


 「元の姿には戻れないの?」


 「う~む。やってみるしかないのう…。」


 犬神は唸り始めると、辺りに煙が出た