ヤンデレ~怪異~

 「は…?」


 碧翔はポカンとした表情で動きを止めた


 「これから用事あるからもう帰るね。
  バイバイ。」


 私は碧翔から離れ、教室のドアを開ける


 「あちゃ~!残念だったな碧翔。」


 後ろの友達は皆、苦笑していた


 「はぁ?俺の告白を断るつもりか?」


 「え?」


 「何様のつもりだ…ふざけんなよ!」


 いきなり腕をもの凄い力で掴まれる


 「痛いっ…!離して!」


 私は思い切り腕を振り切り、逃げた


 校門を出て、数分走り続ける


 「はあっ…はぁ、はぁ…。」


 今まで恐怖で何も考えず走り続けていたので

 体力を随分消耗しきったと思う


 あの時、腕を摑んできた碧翔の顔…


 今思いだしても異常な程の怒りに満ちていた


 「何様のつもりだ!ってどういう事よ。」


 私の後を追いかけてきてるのではと感じ

 私は再び走り出した


 「あれ…?私、いつの間に?」


 適当に走っていたら、あの祠に続く

 神社の階段の目の前まで来ていたのだ


 (何となく、安心する。)


 居るかも分からないのに私はあの祠に

 向かう事にした