「ありがとうございます、喜昭さん。」


 「まぁ喧嘩の1つや2つ、あのくらいの
  年頃の子はするだろう。」


 「…。」


 「どうしたんだい?由紀?」


 「えぇ…まぁ。私ちょっとあの子達の
  事で気になって。」


 「?」


 「もうあのくらいの年頃の子って
  あんなに仲が良いのかしらと思って…
  少し距離が近すぎる気がして…。」


 「由紀の気にしすぎじゃないか?
  仲が良くて結構じゃないか。」


 「でも部屋も最初、あの2人別々
  じゃなくてもいいって言ってたし。」


 「心配性も程々にしないと気疲れ
  してしまうよ?深く考えすぎさ。」


 「そうかしら?なら良いけど…。」


 私は父と母の会話を全て聞いていた


 階段を下りていく2人の背中を見ていた


 (私達、そんなに仲良いかしら?)


 確かに他の兄弟の話を聞く限り、
 私達兄弟は仲が良い方だ


 でもそれは血が繋がっていないから
 なおさらだろう


 「全く、お母さんは気にしすぎよ。」


 逆に仲が悪い方が心配じゃない?


 「って…蒼馬の事は別にどうでもいい。
  早く寝る準備しよ!」