「それよりさ!蒼馬、あんたまさか
  彼女いるとか?」


 蒼馬は高校でそこそこモテていると
 噂で聞いている


 「ううん、居ない。」


 「へ~ぇ?そうか、そうか~?」


 「でもね…好きな人なら、いるかな。」


 (なにっ…!)


 「あっ…ふ、ふーん?」


 「姉ちゃん、もしかして焦ってる?」


 弟がニヤニヤし、笑っていた


 「別に?可愛い弟に彼女が出来たら
  寂しくなるな~って?」


 本当はそんなモテモテの蒼馬に先に

 恋人が出来たら悔しいのだが…


 (絶対言えないよ!)


 「何となく姉ちゃんが思ってる事
  分かる気がするわ…。」


 蒼馬は怪訝そうな顔で此方を見る


 「でもね…本当にその人の事好き
  なんだ。告白、出来たらいいなって…。」


 そう話す蒼馬は優しい表情で
 愛おしそうにしていた


 「告白すればいいじゃない。
  何?恥ずかしいとか?」


 そんな弟の姿に私は必死に笑いを堪え、
 後押しをする


 「は、恥ずかしいとかじゃないから!
  そんなのしてたらとっくに告白したよ!」


 顔を真っ赤にして私に抗議する


 「はいはい、恥ずかしいのね。」


 「違うって言ってんだろー!?」