「今日の狼雅、何だったんだろ?」


 私の首筋に顔を近づけたまま

 ピクリとも動かず、何の反応もしない


 (結局、私が何で狼雅の事見えるのか
  謎を教えてくれなかったし…。)


 私は最初会った時に撮った狼雅の写真を
 ボーッと眺める


 (それにしても…。)


 「ちょーイケメンよね!」


 「姉ちゃん、何見てるの?」


 「うわっ!違う、違う、彼氏とか
  じゃないよ!?」


 「何言ってるの?姉ちゃんが彼氏出来る
  くらいなら
  僕がとっくに彼女いるよ。」


 私は蒼馬を冷たい視線で見る


 「っていうのは冗談で~す…。
  姉ちゃん先週といい今日といい…
  ボーッとしすぎじゃない?」


 蒼馬は心配した様子で私を見つめている


 「ううん、何でもない。」


 こんな事、蒼馬には言えないもんね


 (第一普通の人には見えないって
  言ってたし…。)