パステルカラーに、ちょっと個性的な柄。
帯にはキラキラ輝く帯留めが、コーディネートの良さを引き立てている。
きっと……私が着てしまえば、良さを殺してしまう。
そんな浴衣を完璧に着こなした、SNS映え間違いない美女達が、氷室さんと話をしていた。
私は、本当に……無意識に、スマホでシャッターを切った。
(やっぱり……こっちの方が、氷室さんはずっと絵になる)
今日私は、氷室さんから
「一緒に撮りませんか?」
と、さつま芋スイーツを堪能している時や、この神社に車での間に何度か聞かれた。
「お断りします」
「何故?」
「自分の写真を撮るのは嫌なんです」
そう誤魔化して、逆に1枚、氷室さんがスイーツを頬張っている写真を撮ってしまった。
斜め右からの角度が、氷室さんの鼻の高さを際立たせていて、我ながらとてもよい写真を撮れたと、自画自賛したくなった。
今撮影した写真も、Webデザイナーとしては浴衣や和菓子など、和風の何かを宣伝する時に使えそうだと思った。
私は、そのまま撮ったばかりの写真を削除してから、氷室さんへのメッセージを作り始めた。
【体調が悪くなりました。先に帰ります。】
息を吸うように、自然と、打ち込めた。
送信するかどうかは、一切躊躇わなかった。
私は、氷室さんがこちらを見ていない隙に送信ボタンを押し、氷室さんに見つからないように人混みに紛れながら鳥居を出た。
帯にはキラキラ輝く帯留めが、コーディネートの良さを引き立てている。
きっと……私が着てしまえば、良さを殺してしまう。
そんな浴衣を完璧に着こなした、SNS映え間違いない美女達が、氷室さんと話をしていた。
私は、本当に……無意識に、スマホでシャッターを切った。
(やっぱり……こっちの方が、氷室さんはずっと絵になる)
今日私は、氷室さんから
「一緒に撮りませんか?」
と、さつま芋スイーツを堪能している時や、この神社に車での間に何度か聞かれた。
「お断りします」
「何故?」
「自分の写真を撮るのは嫌なんです」
そう誤魔化して、逆に1枚、氷室さんがスイーツを頬張っている写真を撮ってしまった。
斜め右からの角度が、氷室さんの鼻の高さを際立たせていて、我ながらとてもよい写真を撮れたと、自画自賛したくなった。
今撮影した写真も、Webデザイナーとしては浴衣や和菓子など、和風の何かを宣伝する時に使えそうだと思った。
私は、そのまま撮ったばかりの写真を削除してから、氷室さんへのメッセージを作り始めた。
【体調が悪くなりました。先に帰ります。】
息を吸うように、自然と、打ち込めた。
送信するかどうかは、一切躊躇わなかった。
私は、氷室さんがこちらを見ていない隙に送信ボタンを押し、氷室さんに見つからないように人混みに紛れながら鳥居を出た。



