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僕が考えた自由研究はこうだった。


人間に一億円をあげたらどうなるか。


ただし、今まであまり金に縁がなく、どちらかというと人生に疲れていそうな人物を選ぶこと。


ツキのない人間ほど、意外と金にルーズかもしれない。


いやいや、やっぱり今までの経験から金は大切に扱うかもしれない。


それが見物だ。

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幸男はシャワーを浴びていた。


突然現れた一億円の袋は玄関先に置きっぱなし。


一億円という大金が目の前にあり、冷静に物事が考えられるハズはない。


幸男は帰りがけに思っていたシャワーを浴びたい。という気持が先立ったのだろう。