好きという気持ちは、いつの間にかいびつにねじ曲がっていた。 でも本当は……俺はこの人が、恋しくてたまらなかったんだ。 瞳に宿った大人びた光は、そう長く続かなかった。 そのうちにすうっと消えて、母親は徐々にぼんやりした表情に戻って。そして不思議そうに、俺を見上げた。 「……どうして、泣いてるの?」 「……っ、は……っ」 ぬぐおうともせず、俺はひたすらに涙を落とした。 母親は立ち上がり、俺の背中を優しく、さすってくれた。