昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う


「……わたし」


重さを持った声を、息とともに外に出す。


「美和を許すことは、できない」


美和のウソが原因でいじめられたこと。たくさん心がすり減り、以降ずっと苦しんできたこと。

心からの謝罪があったって……あの絶望は消えやしない。


「あ……」


蚊の鳴くような声を上げて、再びうつむく美和。そんな美和に、わたしは「でも」と続ける。


「今は……無理、だけど。でも……許せたらいい、って。そんな気持ちも……どこかには、あって」

「……!」

「美和のためじゃ、ないよ。わたしの……自分のため。ずっと黒い気持ちを抱えているのって……苦しいから。誰かを憎み続けるのって、本当に、苦しくて……。だから、許せるのがいつになるかは、わからないけど……っ」


言葉を吐ききったとき、ぼろりと、目から大粒の涙がこぼれた。

手の甲に、ビタッと落ちて。その涙の粒の大きさに驚いて顔を上げると、美和も泣いていた。