昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う


「〜ごめんなさい……!」


緑の海にずぷり、とアイスが沈んだとき、美和がひと息に言った。

勢いよく頭を下げたせいで、ポニーテールがペチッと、情けない音でテーブルに当たる。


「わ、わたし……本当に、許されないことをしたって、思ってる……」


いつも頭の上でぴょこぴょこと跳ねていた美和のポニーテールが、こんな風に逆側に垂れ下がるさまを見たのは、はじめてだ。

頭を下げたままわたしの言葉を待つ美和に、わたしは何度もためらって……そしてやっと、口を開いた。


「……なんで」


でも、そこまでしか言えなかった。喉にぐっと、熱いものが込み上げてきたから。

頭に広がるのは、当時の記憶。教室で完全に孤立した自分と、目を合わせようとしない美和の姿。


「なん、で……ウソをついたの? 美和は……」


ねえ、美和。お願い。話を聞いて。理由を教えて。

必死に願っても、取り合ってもらえなかった。

すがりついたわたしの手は、振り払われた。


「美和、は……わたしのことが、嫌い、だった……?」