昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う



美和との待ち合わせは、わたしの家から歩いていける距離にある喫茶店だ。

カフェではなくて、昔ながらの古い喫茶店。美和のほうから、そこにしようと提案してきた。


喫茶店には、かつて一度だけ行ったことがある。

美和と一緒にだ。中一の夏休みに、わたしたちはふたりで遊んでいて。

あまりの暑さに熱中症になりそうだと、目先にあったその喫茶店に避難した。


お小遣いと相談して頼んだのは、メロンソーダ。

シュワシュワした緑は、干からびかけた体に染み渡って。おいしいおいしいと、ふたりで盛り上がったのを覚えている。


でもそれ以来、喫茶店に関する思い出は一切ない。

いじめを受けるようになってからは、この喫茶店のそばを通るとき、目を背けるようになったくらいだから。