でもしょせん、他人事で。どこか気まずい感じで、腫れ物みたいに俺に接するようになったヤツもいたし、転落を面白がっているなって感じるヤツもいた。
そんな風に、人間の嫌な部分ばかりをたくさん見てきて……だから、永田さんの綺麗な涙が、衝撃だったんだ。
……この子は、だれかのために涙を流せるんだ。
そこからは、もっと一緒に過ごしたいという気持ちが芽生えて。俺の方から、海に誘った。
一緒に出かけた先でも、俺は気持ちを揺さぶられた。
渓流散歩のあとに入ったそば屋で、元夜間生だったという犯罪者のニュースが流れて。店内にいた客が、夜間生のことを総じて、口悪くののしった。
仕方ない、と思った。
悔しいけれど、夜間生というだけでいい印象を持たない人もいる。出来損ないと思われてしまうのも、どうしようもないこと。
そう言い聞かせていたとき、永田さんが立ち上がった。


