だけど……本当にこのまま、続けていいのかな。

混乱と罪悪感を抱えたまま迎えた、翌日。

昼休みに突入した教室で、わたしはひとりお弁当を広げ、暗い気持ちに沈んでいた。


お弁当の上でため息をつきかけ、あわてて吸い込む。

お母さんがせっかく作ってくれたのに、こんなどんよりしたものを振りかけてはダメだ。

鮮度も味もごっそり落ちてしまう。


……いただきます。

心の中で手を合わせてから、わたしはお母さんの気持ちのかたまりを、大切に食べはじめる。


お母さんはきっと、わたしが友達と和気あいあいと食べていることを想像して、これを作ってくれている。

もうずっと前からひとりぼっちで食べていることを知ったら、どんなに悲しい気持ちになるだろう。


そう、さらに一段階気持ちを沈めたとき。


「文化祭楽しみだわー」

「ねー! バンド演奏とかもあるらしーよ」


斜め前方から明るい声が上がり、わたしの思考は一時中断した。


声の出どころは、ギャルの矢崎さんたちだ。

派手な雰囲気と、強めの語気。彼女たちを意識するだけで、おへその辺りがキュッと萎縮してしまう。


「ね、そういえばさー」


そして、次の瞬間。

矢崎さんグループから聞こえてきた会話の続きに、わたしは全身を凍りつかせることになった。