永田さんにとっては、本当に怖いことだったと思う。パワーを使うことだったと思う。
それでも傷つくことをいとわずに、俺の目を見て話してくれた。
……永田さんは、変わった。
変われたのは俺のおかげ、と永田さんは言うけれど。でもその変化は、永田さんだからこそ起こせたものだ。
永田さんと一緒にいた理由には、利己的なものがあったことはたしかで。
でも永田さんと過ごす中で、俺が永田さんに惹かれていったということもまた、まぎれもない事実なんだ。
永田さんは、本当に素直で純粋だ。
『わたしなんかの、ために……ありが、とう……っ』
『ノート……なくても、だ、大丈夫……っ』
『わ、わたし……学校に行くだけで、せいいっぱいだから。雨夜くんはさらにお仕事も頑張ってて……ほ、本当に、すごいというか……!』
繊細で、優しくて、一生懸命で。
必死になってトラウマに立ち向かう彼女を見ていたら、いつの間にか利害関係なしに、応援している自分がいた。
挨拶できた、とか、これはできなかった、とか。一喜一憂する彼女を、いじらしく感じるようになっていた。


