星柄の包みを開けてみると、出てきたのはタオルハンカチだった。
ハンカチは薄ピンクで、四隅に蝶の刺繍がしてあって。あれ、見覚えが……と思ったわたしは、ハッと美和の頭のてっぺんを見た。
『あ、わかった?』
ポニーテールの根元を触りながら、美和は照れ笑いをして言った。
『温美がくれたヘアゴムと似てるでしょ?おそろいにしたくって、プレゼントそれに決めちゃった!』
おそろい、の響きがとても嬉しかった。わたしも美和と同じ、照れ笑いを浮かべてお礼を言った。
友達っていいなぁ。そんな月並みなことを、思ったものだ。
それから……十二月。年の瀬のころには、一緒にイルミネーションを見に行った。
鑑賞先は、大勢の人が集う有名どころじゃなくて、とある一軒家。
近所に、びっくりするくらい凝ったライトアップをしているお宅があって。わたしたちは夜に集合して、その家と庭を拝んだんだ。
『すっごいよねー! これ、電気代ヤバくないのかな?』
『だよね! 電気代だけで、すごくいいもの買えちゃいそう』
『ぶははっ! わたしたち、クリスマスなのに色気ない会話だよねー。彼氏できる日なんかくるのかなー』
『んー。彼氏とか想像できないよー!まともに恋とか、したことないもん』
そんな風に、白い息を吐きながら会話をして。最後に、『好きな人できたら一番に教え合おうね!』と指切りをして笑った。