「雨夜くんはお母さんに……わたしは美和に、会いに行けないかな……?相手のためじゃなくて、自分のこれからのために……わたしもまだ、心がブレブレだけど、まとまってないけど……っ」
自分のトラウマと向き合うことは、途方もなく苦しいことだ。
逃げたくなる。でも逃げたところで、なにかにつけてぶり返す。
そのしんどさは、わたし、よく知ってるから。
「雨夜くん、頑張ろう」
引きずり続けることの苦しさは、自分が一番、わかっているから。
「わたしも、頑張るから……っ」
「……うん」
決意を込めたわたしの言葉に、雨夜くんはうなずいた。
わたしをしっかり見て。わたしと同じように声をふるわせながら、うなずいてくれた。
「~うん……っ」


