昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う


あと、コーヒーは砂糖とミルクがないと飲めないらしい。

字の感じ的にブラックコーヒーが似合うイメージだったから、ちょっと意外だった。


――夜間生は、不良が多い。


それはみずから聞かずとも、耳に入ってくるウワサだ。

でも、この心配りが行き届いた綺麗な文字の持ち主は、怖い人じゃない。不良どころか、紳士な感じすらする。

そんな確信が、わたしの中にあった。



……神さま、贅沢は言いません。

友達百人、なんて口がさけても言いません。

どうか、交換日記がこのまま細々と続きますように。

わたしの最近のもっぱらの願いは、これだけだった。


優しく気遣いのある言葉をもらえたら、まだまだ長い高校生活も、きっとやり過ごせる。

だから願った。どうかこれからも朝一番に、雨夜くんの綺麗な文字が見られますように。


でも神さまはいつだって、わたしに意地悪だ。

意地悪で、試練ばかりを与えてくる。

懸命な願いもむなしく、交換日記は、あまりにも早い終わりを迎えることになったんだ。