わたしも、もっと前を向きたいと思った。

変わりたい。もっともっと、なににでも立ち向かえるくらい強くなりたい。


そのあかつきに、雨夜くんみたいな人になれたらいい。

だから今日は、頑張るんだ。


着替え終えたわたしたちは、いったんグラウンドに集められた。


「皆さんおはようございます!今日は天候もよく、無事予定通り球技大会を行えることになりました」


体育委員による開会式があったのち、体育館の出入り口付近にトーナメント表が張り出される。


確認すると、一年三組バスケチームの出番は、なんと第一試合目だった。

まさかの最初。でも緊張が膨らんでしまう時間が短いから、そのほうがいい。