昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う



夕暮れの空には、さまざまな種類がある。


赤い線が一面に塗り広げられているようだったり、下に優しいオレンジ、上に紫と、ちょうど半分に分かれていたり。

藍とピンクが絶妙に混じりあった、なんとも表現しがたい色のときもある。


そして今は……残念ながら風情のあるものではなく、墨汁に近い灰色だ。


「今日は本当に、すごい雷だったね」


灰色から降ってくる、数えきれない雨。

細い線を傘に受けながら、俺は隣を歩く永田さんに言った。


二時間ほど前。公園でバスケの練習をしていたところ雷にあい、俺たちは急遽、俺の住む家に避難した。

そしてやっと雷がおさまった今、永田さんを駅まで送っているところだ。


ひとりで大丈夫、と永田さんは遠慮したけれど、雨も降り出したし、そういうわけにはいかなかった。


「ほんとに! 爆弾が落ちたみたいだったよね」

「早いうちに避難できてよかった。でもごめん、帰るの遅くなったね」

「ううん! お母さんには連絡入れてるし、全然大丈夫!」


永田さんの透き通った声が、雨の線をくぐり抜けて俺の耳に届く。


永田さんはずいぶんスラスラと、詰まらずに話すようになった。

最初と比べると見違えるようだと思いつつ、俺は違う話題を口にする。