「~ち、ちがいます! これはたまたま、偶然で……!」 「ははっ!」 必死に弁解しようとするわたしに、おばあさんだけでなく、雨夜くんまで笑いだす。 しまいにはわたしも笑ってしまって。でも少し、泣きそうになった。 ……どうか。 どうかおばあさんの病気が、治りますように。 どうか雨夜くんが、幸せでありますように。 どうか、どうか。本当に。 優しく整った空間の中で、わたしはそう、強く願った。