「涼からよく、話に聞いていたんだ。全日制の子なんだろう?」
「は、はい……!」
「いつも涼がお世話になってます」
礼をしてもらって、わたしは急いで首を振る。
「お、お世話になってるのはわたしです……!雨夜くんは本当に親切にしてくれて、優しくて……!その、話してると元気になれて……!」
思わず熱弁してしまったわたしに、おばあさんはふはっと笑う。
「うん、うん。話に聞いてた女の子、そのままだね」
「え……」
「一生懸命で素直で、可愛らしい」
「……っ」
それは、雨夜くんが言っていたことなのだろうか。
雨夜くんがいる側の、体の右半分が熱くなる。
雨夜くんのそばにいると、わたしは体のあちこちに点火されてばかりだ。
「ところで、あんたたちペアルックなのかね。それ」
「……え?」
ドキドキして固まっていると、おばあさんに突然服を指差された。
目をテンにして下を見ると、そこにうつったのは白Tシャツにチノパン。
ぶわっと一瞬で熱がのぼって、わたしはあわてて首を横に振った。


