雨夜くんをチラッと上目に見たら、優しい笑顔が返ってくる。
「……ん?どうかした?」
「あ……」
踏み込んだ問いかけをしても、いいのかな。
雨夜くんのことをもっと知りたいって、そう思ってもいいのだろうか。
けれどやはりためらって、口を開けずにいたときだった。
――ドカアン!
「~ひゃっ⁉︎」
突然鳴り響いた、爆発のようなものすごい音。
わたしはとっさに、雨夜くんに抱きついてしまった。
どうやら家の間近に、雷が落ちたみたいだ。
さっきから何度も落雷の音を聞いているにも関わらず、恐怖で心臓が縮み上がる。
「ご、ごめ……っ、ヒッ!」
飛び退こうとしたけれど、すぐにまたドオンと爆裂音がして。結局再び、身を寄せてしまう。
離れなきゃと思うけれど、でも怖くて。
どうすればいいか判断できないでいると、自分の体がフワッと、なにかに包まれるのを感じた。
「……っ」
雨夜くんの、腕だ。


