昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う


立派な役職名が出てきて、見事にひっくり返った声を上げてしまった。


「すごい! 雨夜くん、生徒会長だったの!?」

「いや、すごくないすごくない。押し付けられただけだよ」

「……っ」


雨夜くんは苦笑いで謙遜するけれど、絶対にそんなことはない。

生徒会長って、先生にも生徒にも、みんなから頼りにされてなれるものだ。少なくとも、わたしには絶対つとまらない。


雨夜くんは、ほんとにどうして……。

生徒会長だったという過去を知ったら、わたしの中にまた、何度も考えたことのある疑問が浮かび上がってきた。


どうして雨夜くんは……夜間で学ぶことを、選択したんだろう。

勉強ができて、生徒会長をしていた経歴もあって。雨夜くんならきっと、ここらで一、二を争う進学校に入れたはずだ。


経済的に苦しかったとしても、成績優秀なら学費が免除される学校だってある。

それなのに夜間を選んだということは、なにかのっぴきならない理由があるはずで。