工程が増えたことで混乱して、わたしはまた、とんでもなくひどいプレーを見せてしまったりしたけれど。
雨夜くんは優しく根気強く教えてくれて……そのおかげで、徐々にまともな動きができるようになってきた。
「……っ、入った!!」
放ったボールがシュッとネットをくぐりぬけ、嬉しさにその場で飛び上がる。
「ナイス、永田さん!」
「うん……っ!」
こちらに駆け寄った雨夜くんと、いい音でハイタッチを交わす。
バスケって楽しいかもしれない。そんなふうに、思えるようになってきたときだった。
――ゴロゴロゴロ……。
「……っ!?」
空からうなるような音がして、わたしはビクッと肩をすくめた。
何事かと見上げたとたん、東のほうがピカッと光る。
――ゴロゴロ……ドオン!
「~きゃ……⁉︎」
とどろいた音に、思わず悲鳴を上げてしまった。
落ちてきたのは、雨粒じゃなくまさかの雷。天気予報ではこんなこと、言っていなかったのに。


