キラキラしている。おかしいな。
天気はくもりで、太陽は全然出ていないのに。
「ん?」
「あ……な、なんでも……!」
うっかり視線を送りすぎてしまって、あわてて首を反対方向に回す。
そのせいで視界が変わり、砂場で子供ふたりが遊んでいるのが目に入った。
その子たちのお母さんは、少し離れたところに立って、井戸端会議をしているみたいだ。
「おかーさーん!ケーキできたー!」
子供のひとりが、お母さんを呼ぶ。
砂で作ったケーキ。砂をぎっしり詰めたバケツをひっくり返して、木の枝をろうそくに見立てて作ったものだ。
ほほえましくて、懐かしくなる。
わたしも昔、お父さんお母さんと公園に行って、あんな風にケーキを作って遊んだから。
雨夜くんに話しかけようと、首の位置をもとに戻す。
でも、言葉は出てこなかった。
「……っ」
隣の雨夜くんが、なんだかすごく切ない目をしていたから。
切ない、だけじゃない。暗くて冷たい、ずっと遠くを見るような目。
「雨夜、くん……?」


