『じゃあ土曜、一緒にバスケの練習する?』
雨夜くんはなんと、休みの日をわたしに割いてくれると言い出したんだ。
実際にやらないと身につかないだろうし、土曜日はちょうど仕事がないからと。
『い、いいの……!?』
『もちろん。俺も、楽しくなりそうで嬉しいよ』
そう言ってかろやかに笑ってくれた雨夜くん。ありがたすぎる提案に、わたしは深々と頭を下げた。
練習場所は、市内のコートなどの予約はもう埋まっているだろうということで、雨夜くんの家の近くの公園に決定した。
バスケットゴールのある、あの公園だ。
……それにしても、この駅に図書館以外の用事で来ることになるなんて。
電車が到着し、降り立った駅。わたしは前髪をいじりながら、挙動不審な動きで改札へと移動した。
今日わたしは、休日出かける際の必需品だった黒い野球帽を、思いきって家に置いてきた。
『永田さん。帽子ない方がいいよ』
前に雨夜くんがそう言ってくれたから、頑張ってみたくて。


