甘い毒に溺れ堕ちて

「じいちゃんがいた頃は、時々嫌味を言われるくらいだったんだけど……」



嫉妬、羨望、劣等感。

祖父からの称賛で拍車がかかった負の感情は、陰湿なことに、2人きりの時のみに暴走した。



『所詮流行りに乗っかっただけ。すぐ飽きられる』

『どうせ色仕掛けでもしたんだろ』

『誰のおかげで成功できたと思ってる』



これはほんのごく一部。

どれも殺傷力が強く、仕事に影響するのではと心配になるほど、聞くに堪えない罵詈雑言の嵐だったらしい。


それでも実力で見返してやろうと、懸命に介護と仕事を両立させていたのだが、学習発表会の衣装までをも酷評されてしまい……。


数ヶ月後、祖父の一周忌が終わったタイミングで、置き手紙を残して出ていった。



「今思えば、話しかけられても時々無視してたし。当時は耳が遠いのかなと思ってたんだけど、実家に帰ったこと伝えても、『あらぁ、そうなの〜』って他人事のように平然としてたからさ」

「わざとだったってこと……?」

「……うん。だから俺、許せなくなっちゃって」