甘い毒に溺れ堕ちて

再会して早々、張り詰めた空気が流れる。


会話の内容からして、住居のことを指しているのだろう。

表札には同じ苗字が書かれていたから、どちらも成見家の家であることは確か。


恐らく、最初に訪れた2階建ての一軒家が藍くんの家。

そして、この平屋は……。



「いいよ」

「え?」

「聞きたいこと、いっぱいあるでしょ? 顔に書いてある」



わかりやすいね真彩ちゃんは。そうからかうようにクスクスと笑っている。

膝の上で握り拳を作り、質問を投げかける。



「……このおうちは、虎珀さんが昔住んでた家で合ってる?」

「合ってるよ。父さんの実家で、この部屋も、元は父さんの勉強部屋だったんだよね」

「……ここには、3人で暮らしているの?」

「うん。父さんと俺と、あの人の3人」

「あの人、というのは……」

「さっき部屋から出ていった人。華子さんっていって、父さんの母親なんだ」