それからは、彼女に対して僕が、会社と自分の夢についてアピールする形になっていた。

今どんなことを目指そうとしているのか。
どんな人と一緒に働きたいのか。

そんなことを、熱く語ってしまった。
大学生の女の子に何を本気になったんだ……と、少し恥ずかしくなったが、それでも雨音は僕の話をじーっと真剣に聞いてくれた。

「私も、それを手伝えたら嬉しいなと思います」

と言ってくれた。

メールを見ると、また複数応募があった。
スペックも経歴も、彼女よりずっと上だとわかるよう履歴書を送ってきた人物もいた。

でも、僕は彼女に賭けたいと思った。
僕は一分一秒を惜しみ、交換したLINEに
「いつから入れる?」
と送った。
彼女からの
「すぐにでも」という言葉を受け取った時は、安堵の気持ちより、嬉しさが勝った。

こんなに興奮した気持ちになったのは、いつぶりだろう。
それほどまでに、君のことが、欲しいと思った。心から。