「待って」
雨の中、走る彼女を捕まえる。
久々に見る彼女の腕の細さに、僕は驚いた。
彼女はボロボロ泣いている。
急いで家に連れ帰って、自分のシャツに着替えさせて落ち着かせる。
今の時間はまだ、会社なはず。
一体どうしたと言うのか。

すると
「社長のこと、嫌いになりたい」
と彼女は言った。
僕はその言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。

僕は、君を諦めたくなくて、これまで頑張ってきたのに。
君に嫌いと言われた時、僕がどう思ったか、君に分かるだろうか。