覚悟を決めたら早かった。
今の売り上げを3倍、4倍にすることができれば、僕の年収も前職までは戻る。

そうすれば、雨音をもっと良いデートスポットに連れて行ける。
車をレンタルして、遠出するのもいいだろう。
雨音も、新入社員として1年は、とても忙しい日々になるだろうから、僕のことを考えずにどんどん仕事に打ち込んで欲しい。
そう思ったから、僕は彼女の邪魔をしないように、そして僕に芽生えた

「彼女をこれからも守りたい」

という夢のために、我慢をすることを選んだ。
まさかそれが、彼女にあんな言葉を言わせてしまうことになるなんて。