散らかったアパートで映画を観ながら待っていると、理森が迎えに来た。

「ごめん、遅くなって」

「別にいいよ。で、何処行く?」

「駅前の居酒屋でもいい?」

「オッケー」

理森も、すぐ近所とまではいかないが、一応徒歩圏内のアパートで一人暮らし中だ。

バスで駅に向かい、チェーン店の居酒屋に入る。

「乾杯!」

グラスを合わせ、いつも通り他愛ない話をする。

私たちは、最初はもう少し、かしこまった関係にあった。

相手は公務員、私はボランティアだから、それもそうだろう。