冷蔵庫にあったものをチンして食べ、ラグに、ごろりと転がった日子は、さっきの東城の言葉を思い出していた。

「そういうことは片付けられる人間に訊け」

 片付けられる人間、というと、あの人か、と思いながら、寝たまま、日子はラグの上に放り投げてあったスマホを引き寄せる。

 うっ。
 沙知見さん、電話番号しか入ってないっ。

 会社のパソコンにはメールアドレスあるけど。
 あれ、職場のアドレスだしな~。

 第一、今から職場に戻る気にはなれない。

 でも、電話かけるのはハードル高いよな~、と思いながら、日子はスマホを持ったまま、ゴロゴロ、ラグの上を転がっていた。

 誠孝が見ていたら、
「その時間に片付けろ~っ」
と叫んでいたことだろうが。