「早く食え!」


夕里子が素手でお米を鷲掴みにして、そのまま私の口にねじ込んできた。


口いっぱいに粉が入り、激しくむせる。


チョークの独特な香りが鼻に抜けて、粉は喉にひっついて離れない。


「ほら、全部食え!」


顔をそむけても次から次へと口に米をねじ込められて窒息死してしまいそうになる。


呼吸ができなくてあえいでいると、喉の奥に米が流れ込んできてまたむせた。


悔しくて奥歯を噛みしめることすらできない状況の中、私はひたすらあのアプリのことを考えていたのだった。