心臓は高鳴り、嬉しさがこみ上げてくる。


だけど友達と遊ぶのも久しぶりな私はどう返事をすればいいかわからなくなった。


多美子と2人でどこに行けば良いのかも、どんな話をすればいいのかもわからない。


そう思うと胸の高鳴りはどんどんしぼんでいってしまう。


だいたい、私と遊んだって多美子は面白くないかもしれない。


スマホを握りしめてベッドに座ったものの、返事ができないまま数分が経過した。


《多美子:水族館のチケットをもらったの》


《多美子:それとも、どこか行きたい場所ってある?》


そのメッセージに私は飛び上がる思いだった。


水族館!


それなら無理に会話を探さなくたって話題はいくらでもあるはずだ。


《有紗:私、水族館に行きたい!》


そう返信をして、私は子供のようにはしゃぎながらクローゼットを開けたのだった。