☆☆☆
「私のせいでごめんね」
教室へ戻ると泣きそうな顔の多美子がいた。
私の机の上には多美子のお弁当箱がのせられていて、まだ手つかずだ。
一緒に食べるために待ってくれていたみたいだ。
昨日まではそんな子ひとりもいなかったから、傷の痛みなんてすぐに忘れてしまった。
「別に多美子のせいじゃないよ。それよりお腹へった。お弁当にしよう」
私は早口にそう言って、自分の席に座る。
多美子もおずおずと自分の椅子を持ってきてそこに座った。
「多美子のおかずおいしそうだね! ひとつ交換しようよ」
「いいよ。なにがいい?」
「タコさんウインナーかな」
「じゃあ私は卵焼き」
こんな風に友達をお弁当のおかずを交換し合うのが憧れだった。
私には無縁な景色だと思っていた。
「ねぇ、本当に大丈夫だった?」
食べている途中で多美子の視線が私の手のひらへと移動した。
「これくらいどうってことないよ」
そう言って手を握ったり開いたりしてみせると、さすがに痛んだ。
でも大丈夫。
もう復讐の準備はしてあるんだから。
それに、イジメられればイジメられるほど、あいつらにやり返すことができるんだ。
こんなに楽しいことはない。
思わず笑顔になる私を見て、多美子は安心した方に微笑んだのだった。
「私のせいでごめんね」
教室へ戻ると泣きそうな顔の多美子がいた。
私の机の上には多美子のお弁当箱がのせられていて、まだ手つかずだ。
一緒に食べるために待ってくれていたみたいだ。
昨日まではそんな子ひとりもいなかったから、傷の痛みなんてすぐに忘れてしまった。
「別に多美子のせいじゃないよ。それよりお腹へった。お弁当にしよう」
私は早口にそう言って、自分の席に座る。
多美子もおずおずと自分の椅子を持ってきてそこに座った。
「多美子のおかずおいしそうだね! ひとつ交換しようよ」
「いいよ。なにがいい?」
「タコさんウインナーかな」
「じゃあ私は卵焼き」
こんな風に友達をお弁当のおかずを交換し合うのが憧れだった。
私には無縁な景色だと思っていた。
「ねぇ、本当に大丈夫だった?」
食べている途中で多美子の視線が私の手のひらへと移動した。
「これくらいどうってことないよ」
そう言って手を握ったり開いたりしてみせると、さすがに痛んだ。
でも大丈夫。
もう復讐の準備はしてあるんだから。
それに、イジメられればイジメられるほど、あいつらにやり返すことができるんだ。
こんなに楽しいことはない。
思わず笑顔になる私を見て、多美子は安心した方に微笑んだのだった。



