「あれ?有は?」


リビングに有はいなかった。

やっと会えると思ったのに…


「あー…帰ってきてないんだよ。先にレコーディング終わったはずなのに。」

「なんだよ。杏奈見つかったって、電話したのに。少し待つか。」


蓮兄は少し疲れたのかソファに倒れ込んだ。


「あーひまりちゃん!本当よかったー。」

「あの、みんないるから…」


純大はひまりさんの手をずっとひいたまま、
彼女の無事を嬉しそうに噛み締めている。



私は久しぶりの我が家で、少しぽつんと立ち尽くしてしまった。


なんか
私が帰って来たのに…


みんな冷たくない?


なんで有もいないの?