「あの、助けていただきありがとうございました。私、双葉愛瑠といいます」

「フタバ、メル?」

「あっ、メルが名前で……えっと私、聖女として呼ばれたらしいんですけど聖女じゃないって言われて」


 オスマンさんは黙り込む。やっぱりそんな子連れては帰れないって思ったのかもしれない。


「私、聖女ってよく分からなくて……聖女ってなんですか? 家に帰りたいですし……」

「メルちゃん、『ヒール』と唱えてくれないかい」

「え? わかりました……ヒール」


 私がそう唱えると、私の体から何かが溢れ出しきらきらと光出した。