「よろしく頼む」

「ぎ、ギルバート様っ! 私そんな……」

「遠慮はいい。君にプレゼントしたいんだ」


 ギルバート様がとても甘い声で言うから頷くしかなく、針子さんにあれよあれよと採寸されてしまった。


「ありがとうございました、一週間後にお届けに参ります」

「あぁ、頼む」
 

 仕立て屋を出てからも小物屋や手芸店などをめぐり、ゆっくりしていると空は茜色に染まり出した。

 ギルバート様は、待っていた馬車へ乗り込むと中から手を差し出してエスコートしてくれた。その後はギルバート様に公爵邸に送られた。

 それから一週間後、四着ではなく十着ほどのドレスや宝石や帽子などもたくさん公爵邸に届いたのである。